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Hi, there. Glasgow

Go! Study Scotland!

貴重な出会い。 将来を考える@グラスゴー大学。

キャリア形成 グラスゴー 学習環境 留学生活 子育て 日本人

 

 

 リックです。

 先週月曜に最後の課題提出があり、不覚にも燃え尽きてしまい、更新が延びてしまいました。

   というか、それ以外にもスカイ島にキャンプに行くという一大事(喜劇であり悲劇でした)があり、そのまま授業に突入してまた燃え尽きて・・・、とまあ、言い訳はこの辺で。

 

 

ブログを通じて

 さて、"hell weeks" (by スコティッシュ男子)と呼ばれた、3週間で課題2本(合計5000語)プレゼン1回、という怒涛の期間がついに終わった。本当に疲れたが、よく頑張ったと思う。結果もまあ、楽しみ。

 

 そして水曜日には、嬉しいことにこのブログを通じて連絡をくださったSさんがグラスゴー大学で開催されるセミナーに参加されるため、ランチをご一緒することができた。Sさんは英国で修士課程取得後、現在博士課程に在籍中ということで、役所を飛び出して脱藩官僚、もとい脱落官僚となり、将来に悩むリックとしては、大変貴重な機会だった。

 奇遇といえば奇遇だが、最後にtomoさんとランチをしたイタリアンレストランで食事をしながら、これまでのご経験や、アカデミックな場での大変なことなど、ざっくばらんにいろいろお伺いすることができた。

 

 少し話をそれるが、私はいま、修士課程修了後の進路について、真剣に考えるべき時期にさしかかっている。(と思う。) 一つは帰国し、希望分野で民間セクターの就職を考える案。もう一つは、Ph.D(博士課程)に挑戦する案。Ph.Dで海外に残ろうと思うと、まず一番最初にやって来る難題が、授業料や生活費、奨学金といったお金の話。次にやってくるのが、将来の不安。どこの大学にいくか、そしてその大学はPh.D取得後に日本での就職(どこかの大学の教職)に役立つかどうか。日本の大学の先生方に伺うと、そもそも海外のPh.Dをあまり評価していない印象も受ける。かと言って、じゃあ日本の大学の博士課程に行きたいかと言われると・・・うーん、悩ましい。

 

海外で研究する難しさ

  とまあ、この辺までは自分でも考えていたものの、今回Sさんと話していて、さらに色々、考えを深めることができた。

 

 特にすごく共感したのは、大学外での余計なコスト(時間的・精神的)がかかるということ。日本人が海外に残って研究を続けようと思った場合、その状況はヨーロッパ圏の学生や、新興国からやってくる学生たちとは異なっている。

 

 例えば、(このパラグラフ、Sさんの受け売りであることを申し添えます)、ヨーロッパの学生にとっては、英国は転職の年齢制限が緩い、賃金水準や社会保障・福祉のEU圏でも水準が高い、同胞も多いし、帰りやすい、といったメリットが多い。次に、新興国の学生にとっては、賃金水準や医療水準が圧倒的に高い(電気や機械は母国よりよく壊れると笑ってたが)、イギリスの学位は母国で高い評価が得られる、とメリットはかなり多い。

 

 日本の場合、これは私も痛感しているが、まず医療水準は、全然日本の方が高くてきめ細かい(公的医療の話)。確かにNHSは無料だが、基本的に診察は雑で適当だ。もし子供が高熱を出したら、私は迷わず日本で加入した民間保険の医療機関を優先すると思う。

 それに、子育てに関しても、よく欧米は日本よりもいいといわれるが、別にそんなことは全然ない。私の親が私を連れて留学していた30年前ならいざ知らず、例えば今の東京は子育てにかなりフレンドリーな人が多い。もちろん欧米の人、グラスゴーの人たちはすごくベビーフレンドリーだ。・・・が、ショッピングモールや駅、レストランの授乳施設やおむつ台の数、地下鉄のエレベーターの設置状況などを比較に入れて、どっちが子連れに楽かと聞かれたら、そりゃ東京だし、大阪だし、名古屋だ。ていうか、例えば地方都市、新潟とロンドンを比べたって、前者の方が全然快適だ。

 他にもバスのお釣りが出ないとか、蛇口のお湯とお水がなぜか分かれているとか、1週間に1回ペースで火災報知器が誤作動するとか、トイレが流れない、バスタブがない、何かしらモノが壊れているetc etc... と、正直、不便には事欠かない。そしてダメ押しの就職不安・・・。むう。

 

さて。なにはともあれ。

 ・・・こほん。 ここで、初心に立ち返りたい。「じゃあ、お前何で海外で勉強してるんだ」、ということになるが、Sさんは海外で研究する難しさを振り返って、「ずば抜けて恵まれた環境で勉強するために、我慢しなきゃいけないコストだと思うんですよね」とおっしゃっていた。これもかなり共感。

 

 例えば、私はSさんとのランチでお話を聞いて、有名なジャーナルに論文を投稿する、実際に海外で学生に授業をする、ほかの教官と一緒に仕事をする、という体験にチャレンジしてみたい、と思った。グローバルな環境で一緒に授業を受けるから一歩進んで、一緒にアカデミックな仕事(研究したり教えたり)するという体験は日本ではできないし、魅力的だ。

 

 実はお恥ずかしい話だが、私はこれまで、つまり留学するまで、体系的に学問を学ぶという感動を覚えたことがなかった。高校は大学附属だったこともあり、授業はあまりオーガナイズされていなかった。大学の授業も、なんだか散漫で、いつも退屈だった。私が法律の知識を体系的に得られたのは、法学部を出たからではなく、国家一種試験(現在の総合職)の勉強を死ぬ気でしたからだ(それだって死にそうに勉強したのは半年、合格順位はほとんどビリみたいなものだった。)。まあ、認めたくはないし、全然誇らないが、’お勉強’ を測るツールとしては、よくできた試験だった・・・。

 

 でも、今は違う。妻はよく「知の集積」という言葉で表現するが、例えば読むべき本や論文を集めたリーディングリスト、授業構成、教えるトピックの順番、図書館やデータベースの質、フェアな採点制度、多かれ少なかれ議論好きで、やる気のあるクラスメート、そして何よりその道の専門家たる教官団。今、私は「ああ、俺はこれが勉強したかったんだ」と感じることができる。というか、勉強という言葉が、おしきせな ’お勉強’ ではなくて、前向きな意味で ’研究’ という言葉に昇華しつつあるのを感じる

 

 お話を伺っていて、Sさんもそうだが、自分は、好きな分野で、日本ではできなかった感動を覚えながらキャリア形成している(形成していると信じたい)。幸い、最小作戦単位である家族も了解してくれている。なら、その余のことは、不安だったり不便だったりしても、これはもう、必要コストなんだろう。となれば、結論は一つ、色々考えながらもがいてみる、かな。

 

 

 

 まあ、何はともあれ、明日を信じて、頑張ってみるしかない。

 ・・・いや、明日・明後日は家族サービスの日だから、明後日から、ね。

 

 

 

 

 ※次回は、スカイ島冒険記を書く予定です。まじめな雰囲気から一転して、猛烈におバカな話になりますが・・・悪しからず。

 

 

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Photo by Rick (all copy rights reserved): City of Edinburgh