Hi, there. Glasgow

Study in Scotland

修士論文あれこれ③ 〜決戦!修士論文提出〜

こんにちは。リックです。
今日はいよいよ、修士論文提の提出日についてご報告したいと思います。
最後までドタバタして、反省ばかりが残ります。

 

さて、今日のブログはドタバタ劇ですが、なぜこんなにドタバタしたかというと、英国の修士論文は、1分でも遅れると大減点、というのが原則だからです。

 

だいたい終わってはいるものの・・・。

私の予定では、締切1週間前には草案は書き上げ、その後、家族の引越しを手伝いながら、プルーフリーディング、印刷、内容チェック、製本・・・の予定だったのだが、現実は甘くなかった。というか、私の認識が甘かった。引越しは全く手伝えず、妻には頭があがらない。(わざわざお手伝いにきてくださった、N子さん、Mみさん、ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます)

 

草案を仕上げたいのに、細々したミスがでるわでるわ。「あ、そうだ、これ後で考えようと思ってたんだ・・・」みたいなのがいくつもあり、一つずつが意外に適当にこなせない難易度だったため、あっという間に時間が過ぎてしまった。最後の1週間の睡眠は、足して20hくらいだったと思う。

 

終わらない上に、焦りと睡眠不足ばかりが募ってゆく。提出が月曜日に迫るなか、土曜のお昼頃だったろうか、私の脳みそは不協和音を鳴らしながら、「もうダメ・・・」と言わんばかりに頭痛がし、全然働かない。既に家族は一足先に帰国していたので、私はホテルに缶詰だったが、下手するとこのまま無駄に何時間も寝てしまうのでは・・・。

 

迷った末、日本人の友人で鍼灸師資格を持っているSさんに相談したところ、なんと快くホテルまで来てくださった上、ごく私的に鍼を打ってもらうことができた。実は人生初の鍼治療で、ドキドキ。イメージとは裏腹にあまり痛いということもなく、Sさんのお人柄を反映してか、緻密かつ丁寧に、淡々と鍼が全身に刺されていく。治療が終わったあたりで、物凄い眠気に襲われ、そのまま泥のように5時間ほど眠っただろうか。

 

起き上がって最初に思ったのは、「しまった!5時間も寝ちゃった!」だったが、次に思ったのは、「あり?なんかものすごく身体が軽い」。脳みその重みもすっかりとれている。はっ!これなら行ける。あと2日はなんとか頑張れる。そしてまた猛然と机へ・・・。

 

お金貸して!

紆余曲折を経て、提出日の13時頃(ちなみに提出期限は16時)。「これ以上細かいことにこだわってると、おそらく終えられない」という思いもあり、かつ、印刷や製本のことを考えると、15時にはモノができていないといけないということもあり、無理矢理着陸することにした。1週間かけてやろうとしていたことを1時間でやるというあたり、既にハードランディングの匂いがぷんぷんするが、言っても仕方ない。

 

留学中いつも悩まされたのは、英語で作業する、というのは日本での感覚に比べると時間が思ったよりもかかってしまうということだ。このときもそうで、作業終えたのが15時20分。急げ急げ急げ急げ急げ・・・。ああ、もうダメかも・・・いや、やれるだけのことをやるのだ、と自分を鼓舞してコピー機の前に立ち、カラー印刷のボタンを押す。とりゃっ!

 

 

・・・。

 

・・・。

 

【コピーカードの残金が足りません】

 

 

うそっ!?と思い財布を開けると、残金20ペンス・・・。こう言っては申し訳ないが、いつもスタバの近くでおしゃべりするホームレスのおじさんだって、もうちょっと持ってるだろ。

 

図書館内にはATMはない。最も近いのはフレイザービルのATMか。うーん。時間ないなあ。そう思いながら走り出すと、MBAの美人留学生、Kとバッタリでくわした。

 

「あ、リック、久しぶり〜。元気だっ・・・」

 

「K!!お金貸してっ!!」

 

「・・・は?」

 

事情を手短に説明すると、Kは財布をあけ、あんまり入ってないけど・・・と言って全額を手渡してくれた。なんか、いわゆる寸借詐欺のようでもあるが、こういうとき、中国人はとても大らかに助けてくれる。

 

Kのおかげでなんとかコピーも進み、A4サイズの印刷をする間に、既に刷り上がったA3サイズの紙をA4サイズに折りたたんでいく。自慢じゃないが、役所時代、審議会の準備や国会対応で何百回もこなしたため、コピーと資料セットにかける事務能力は半端ではない。いや、何を胸張ってるのか自分でもよく分からないが、ともかくあの経験がなければ短期間での仕上げは不可能だった。

 

さて、15:40。もうダメだろ。どう頑張っても20分で、いや、事務棟に走り込む時間を考えると、15分で製本できるはずがない・・・。

 

さすが英国・・・?

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当日の動き。猛然と、走る。

 

学部からグラスゴー大学を卒業したクラスメートに聞いた、「時間が差し迫ったら、SRC(生協のようなもの)が最後の砦」というアドバイスを元に、キャンパスの坂を猛然と駆けおりる。既に製本を終え、猛然と坂を走り登っていく他のコースの学生たちとすれ違う。

 

SRCに飛び込み、さすがにもうダメかなと思いながら、「何分でできますか!?」と聞いたところ、修論提出日の事情をよ〜くわかっている事務員さんは不適な笑みを浮かべ、「5分」と答えてくれた。すごい!クラスメート情報はやはり侮れない。製本の出来も悪くなく、残り10分。猛然と坂を駆け上がっていくと、クラスメートのマット(ロンドンっ子)とノルウェー人のクリスが猛然と坂を駆け下がってくる。

 

「リック!間に合うね!よかった!」

 

「おう!頑張れ!希望を捨てるな!」

 

と、すれ違いの1秒。

坂を駆け上がったところで、スポーツジムの脇にある、これまた早くて安いと評判の店で製本したドイツ人のポールが猛然と(この表現何度目。)走ってきた。ようリック!なんとかなったな、と言いながら、二人で事務棟に駆け込んだ。

 

 

・・・。

 

・・・。

 

「事務室の扉・・・開かないんだけど。」(私)

 

「は?いや、そんなわけないだろ。あれ?ほんとだ」(ポール)

 

 

時間は?いやまだ4分あるぞ、と言いながらドアを眺めまわすと、紙ぺらが一枚。

 

 

【本日の業務は終了し、事務員は帰宅しました。修士論文の提出は右にある青い箱に入れといてね】

 

 

・・・。いや、締切関係ないじゃん。

 

遅れて走ってきたクラスメートや、他のコースの学生も口々に不満を言っていた。さすがイギリス。まじかイギリス。

 

ゴトン、と青い箱に修士論文が落ちる音がまたむなしい。

 

そういうわけで、怒涛の提出となり、思ったほどの感動もなく、むしろ今見返すと細かいミスが目立つため、ちょっと消化不良でした。この論文の成績如何によっては、博士行きの可否も左右されるので、もう少し何とかしたかったが、まあ、もう言っても仕方ない。スーパーバイザーが細かなミスよりも、中身で評価してくれることを祈りたい。


この日は、深夜まで打ち上げ、翌日早朝便で日本に帰国したのでした。

 

 


・・・ああ、疲れた。

 

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